内訳を見る
獲得金はプレミアム登録でご覧になれます。
2012年陽春の香港。『統治地位』と記されたゼッケンを背負った1頭の日本馬が、世界の強豪を従えてシャティン競馬場の直線を先頭で駆け抜けた。国際G〜・クイーンエリザベス2世カップを快勝したルーラーシップの産駒が登場だ。 ルーラーシップはJRA年度代表馬エアグルーヴの8番仔。祖母はオークス馬ダイナカール、半姉アドマイヤグルーヴは2年連続でエリザベス女王杯を制した女傑であり、半兄フォゲッタブル、半妹グルヴェイグも共に重賞勝馬という超良血馬だ。G〜勝ちは1勝のみだが、キャリア晩年に深刻化した出遅れ癖さえなければ、さらなるタイトルの上積みは可能だったに違いない。 一方の母サクラキララは、四代母サクラクレアーを起点にして枝葉を広げるファミリーに連なり、近親には昨年のG〜・フラワーカップ勝馬のサクラプレジールがいる他、遡るとサクラチトセオーやサクラキャンドルなど『サクラ』の名を冠したお馴染みの馬達が登場する。 募集本馬ウルトラ2は上背こそ平均的なサイズだが、骨太でボリューム感ある馬体の持ち主。母の初仔ということを考えると十分な大きさと言えるだろう。程良い胴伸びと、まっすぐ伸びたやや長めの四肢、返しの軽い脚捌きなど、父同様芝の中距離に適性がありそうだ。放牧地では高い柔軟性と運動神経の良さを想起させる俊敏な動きを見せている。 結果的にラストランとなった有馬記念後、ルーラーシップには開催日の最終レースの後の発走再審査をJRAから課せられた。角居調教師をして、「あのクラスの馬をファンの前でいじめるのはどうかと」という気持ちが、その時点での引退を支持した理由のひとつだったと伝えられている。勿論、そこには“残した思い”が当然あったはず。 ファンを魅了してやまなかったあの豪脚を産駒が受け継ぎ、思いを晴らす。ウルトラ2には、そんなブラッドストーリーの担い手になることを期待したい。
※最新の募集状況、馬体重や測尺などのデータは、必ず一口馬主クラブが発表したものをご確認ください。