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昨秋の当歳募集から約7ヵ月。ひと冬を越して再会する各馬の成長ぶりに驚かされることは少なくないが、市川牧場代表の市川孝司さんと一緒に訪れたイーグルファームで再会した募集本馬の姿には心の底から唸らされた。全体的に華奢さが目についた当歳時の面影は影を潜め、骨量が増えて、一瞬別の馬と思ったほどだ。 「いかに走る確率を高めてやれるか。育成場へ送り出すまでの時間の中で、しっかりと考えながらやっていきますよ」と昨年秋に市川さんが熱い口調で約束してくれたその回答が目の前にあった。 「こちら(イーグルファーム)には中期育成を行うために4月半ばに移動させましたが、本当にここ1〜2ヵ月でトモが大きくなって馬体もガラリと変わりました。他の牧場から移ってきた馬と多頭数で一緒にいることで運動量が増えて成長が促されたのだと思いますが、正直僕もびっくりしているんですよ」と市川さん。タレント12を目の前にその言葉を聞くと思わず納得してしまう。 そのタレント12は、写真やDVDでもご覧いただけるとお分かりのように、胴伸びこそ気持ち短めながら、薄い皮膚の下にある良質の筋肉が全身を覆い、当歳時と比べると上半身が非常にどっしりとしてきた印象。角度の良いクビ差しからは逞しさが感じられ、肩の傾斜角も理想的。バランスの取れたその立ち姿は、見る者を惹きつけると共に、父ヴィクトワールピサの種牡馬としてのポテンシャルの高さを伝えている。そして、その動きはバネがあって素軽く、芝適性の高さを想起させる。 「母系は比較的短い距離に適性のある馬を出しますが、本馬はストライドが大きいし、クビの使い方も上手ですので、父同様、中距離での活躍を期待しています。ヴィクトワールピサの産駒はこういったクラブではあまり出てこないと思いますので、気になっている方はぜひ検討してもらいたいですね」と市川さん。凛とした自慢の生産馬を前に、その表情は自信に満ちていた。
※最新の募集状況、馬体重や測尺などのデータは、必ず一口馬主クラブが発表したものをご確認ください。