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「正直に言えば、本馬は来年の1歳セレクションセールに上場する腹づもりでしたが、有難いことに実馬を見た矢野英一調教師から『本馬をぜひ手掛けたい』という熱烈なオファーを頂戴しました。であればクラブの当歳馬募集に提供して、矢野先生に管理をお願いし、会員の皆さんとカッパツハッチ以上の喜びを共有したいと思い、清水の舞台から飛び降りるつもりで提供を決めました」と、やや苦笑いを浮かべながら話すのは、中島牧場代表の中島雅春さん。この当歳世代の同牧場の生産頭数(7頭)、また、今夏は大変好調に推移したセリの動向を考えれば、全姉がオープンクラスで活躍する本馬をセレクションセールで、という選択も無理からぬところだが、それでも今回、こうしてクラブへの提供が実現した。この真摯な姿勢こそが、数多くの会員様から支持を受ける所以だろう。募集本馬ドラフト3は、5月後半の生まれながら、月齢を考えれば平均以上のサイズで、角度の良い肩先やトモを中心に豊富な筋肉を備えた鹿毛の牡馬。クビ差しは太く、そして逞しく、上質の筋肉を包み込む皮膚は薄くてピンと張りがあって、生まれもっての体質の良さが窺える。そして、瞬く間にトップスピードに達する素軽さと脚の回転の速さは全姉カッパツハッチを彷彿とさせるが、牡馬の分、全体的な骨格の確かさはこちらの方が上。その走りは実にエネルギッシュで躍動感に満ちており、姉と同等か、それ以上のポテンシャルさえ感じさせる存在だ。「ひと目で筋力の強さが伝わってくるタイプで、一族特有のバネと瞬発力を感じます。父もスピードタイプですし、母系もスピードが武器の一族ですから、“速さ”は十分に備えていると思います。姉以上に活発に競馬場の芝を蹴って、矢野先生、そして会員さんの期待に応えるような活躍をしてほしいですね」と中島さんが、渾身の力を込めて生産馬を送り出した。
※最新の募集状況、馬体重や測尺などのデータは、必ず一口馬主クラブが発表したものをご確認ください。